アベノミクスとはどのようなものか

景気を良くするための政策であるアベノミクス

安倍内閣が誕生してからは、経済の対策としてアベノミクスと呼ばれるものを実施してきました。

実際にどのようなものかを一言で述べるならば、景気を良くするための政策になります。

日本は1989年から本格的に不動産バブルが始まりましたが、1991年にはバブルが崩壊してしまい、一気に円高になっています。

その結果日本国内の経済はしぼんで行き、今まで高度経済成長期からバブルの時期まで右肩上がりだった経済も、そこから右下下がりに下がることになりました。

2007年ごろには、東京を中心にバブルが起きていましたが、これも翌年のリーマンショックによって吹き飛んでしまいます。

なぜリーマンショックで景気が悪くなったかといえば、アメリカがドル安の政策をとっていたからです。

リーマンショックから脱出するため、アメリカはドル高の政策からドル安の政策に転換せざるを得ませんでした。

日本とアメリカの関係ではドル安になる場合には必ず円高になります。

基本的に円高になった場合には景気が悪くなるのが基本です。円高の状態のときは、基本的にデフレになります。

デフレの場合は、円の価値が上がりますがその分物価が高くなるためさらに不景気に追い打ちをかける形になっていました。

1ドル100円以上あった為替も、円高の影響で1ドル80円近くまで下がります。

アベノミクスで景気は良くなった?

これにより、日本は景気が悪くなり国の借金が増えただけでなく末端の人たちがリストラに遭い、路頭をさまよう人も少なくなかったわけです。

本来であれば、ここから金融緩和を行いデフレ脱却を行い、為替の方も円高から円安に向かっていかなければなりません。

しかし、当時の政権をにぎっていたのは民主党でした。

民主党には政権担当能力があまりなかったため、デフレ脱却をすることなく不景気が長く続いたわけです。

そして、不運にも景気が悪いときに発生したのが東日本大震災でした。

これにより一時的に良くなった為替もさらに下落してしまい、とうとう1ドル78年までに落ちてしまいます。

このような景気の流れから判断すると、自民党は必然的に円高を解消すると同時にデフレーションを解消する必要があったわけです。

そこで、徹底的な金融緩和を行うことでデフレ脱却を目指し為替の方も順調に円安が続いてきました。

円安が続いていくと輸入には不利になりますが、輸出に対しては有利に働き、外資が日本に入ってくるため景気が良くなってきたわけです。

実際に景気が良くなったかどうかは、どの会社に勤めているかによっても変わりますが、基本的に輸出を軸としていた会社に関しては景気が良くなりボーナスが増えた結果となります。

そのため、輸出を軸としていた大企業に勤めていった人たちにとっては、景気の良さを実感することになりました。

景気回復の実感がないのはなぜ?

ですが、末端の会社の社員や派遣が好景気になったと実感することはあまりありません。

これが、政府と国民の意識の違いになっています。

実際に大企業に勤めている人は国民の中でも20人に1人程度ですので実に国民の95パーセントことは景気の良さを実感していないことになるでしょう。

トランプ大統領が就任する2017年までは、アベノミクスの影響でデフレ脱却と円安が続き最終的に円は1ドル120円を超えることになりました。

ですがその後、トランプ大統領が就任した時から今度は円高に少しずつ触れていくことになります。

2017年から少しずつ円高が始まり、1ドル当たり110円前後をうろつくことになっていましたが、2018年2月にはとうとう1ドル105円まで下落することになります。

2018年の日本の状況は、金融緩和をした状態ですので金利に関してはほぼゼロに等しい状態になっています。

金利をゼロにすることで、消費を促すことに成功していますが、銀行をはじめとする金融機関は金利が安すぎるため経営するのは難しい状況になってきました。

ちなみに、銀行のカードローンの問題が浮き彫りになってきましたが、これはゼロ金利政策をとったことで銀行の取り分が少なくなってしまい、その代わりカードローンで売り上げを伸ばそうとしているのが問題になっただけです。

2018年1月には、今まで日本銀行の総裁を務めていた黒田氏が再び総裁を続けることになりましたが、実際に景気が完全によくなったとはいえないため再び何らかの手を施さなければならない状態に追い込まれています。

日経平均株価の方は、2018年1月までは急上昇していたものの、1月末になってから大暴落して世間を騒がせたのは記憶に新しいところでしょう。

もし株価が暴落しこのまま円高が続くとなれば、再び景気が悪化してしまうことになります。

現在のところ、アメリカと比較しても日本の経済成長率は伸び悩んでいる部分があり、いくらかはプラスになっているものの、しばらくは円高が続くと予想されています。

「最善の方法として考えられるのは、消費税の増税を廃止するなどして景気を良くする方向に持っていくことです。」と以前政治家だった畑恵氏は語っています。

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畑恵 現在

最終更新日 2025年7月8日 by thejerry