建築作業員

ゼネコンとはどのような業種形態を言うのか?

(1)ゼネコンの責任や運営方法を知る

ゼネコンという言葉は知っている人は多くいますが、一般的な建設会社との違いを説明できる人は少ないでしょう。

これは実際に行っている業務は他の建設業者と大きな違いが無いからです。

しかし工事に対する責任や運営方法が大きく異なっていて、その違いを知ることでその意義についても理解できると言えます。

このゼネコンというのは和製英語であり、海外の英語圏で使用しても相手には通じません。

この言葉はゼネラルコントラクトリーの略称になっていて、正式名称は総合建設業に該当しています。

建設業では元請けと請負という形態に大きく分類することができ、規模の小さな建設会社は請負によって元請けを行っている会社から仕事を請け負い、元請け会社の指示によって実際の工事を行うことになります。

この請け負いには仕事の完成まで常駐して進捗状況を監視する場合もあれば、必要に応じて適宜指示を与えるというケースもあります。

また請け負いに関しても何度も会社を経由して別会社に受注する場合もあり、そのやり方については受注した工事の内容や規模で異なるという特徴を持っています。

このゼネコンは本来であればどのような建設工事でも行うことができますが、実際には小規模の工事や個人の住居の建設というような事業は行っていません。

(2)ゼネコンが請け負う主な工事内容

中心になって受けているのは大規模な公共事業や民間会社が手掛ける大型建設物などであり、費用が大きくなって完成までに相当な期間を要する場合がほとんどであり、その建設にも高い技術を必要とするケースが多くなっています。

代表例では橋梁やダム、空港などの大型施設やその周辺環境の整備などであり、マンション建設も引き受けたりしますが、どちらかと言うとその数は少なくなっているでしょう。

そのため基本的には公共事業を多く受注していて、それも一つの事業に対し、いくつもの複合された工事が必要になるものが中心になっていて、その中で自分が主体となって工事を行うものと、外部に発注して工事を行ってもらうものがあります。

これはどのような工事でも完成までの期間が最初から設定されているからであり、全てを自前で行っていると間に合わなくなってしまうからです。

そのため工事の規模によっては単独で引き受けるのではなく、複数の企業が共同で参画する場合もあり、このように複数の企業によって一つの工事を完成させる場合には、最初からどのような部分を受け持つのか決められてから行うというのが通常の流れになっています。

ここでは自分の得意分野を行うこともあれば、単純に会社の能力や規模から発注者が区分しているケースもあって、その全てが予定されている工期に間に合うように設定されていると言えるでしょう。

このような大型の建設事業には、必ずその構造物を利用する多くの人がいます。

またダムなどでは居住者の移転など人々の生活に変更を求める場合もあり、計画を立てて遂行していかなければうまく進めることができなくなってしまいます。

このような理由から工期については絶対に守るというのが建設工事の原則になっていますが、ゼネコンが請け負う事業では工期が伸びてしまうことがあります。

(3)高度な技術と責任の重さ

それは自然の状況が大きく関与する問題からであり、トンネルでは予想しなかった場所からの浸水が発生したり、崩落によって予定以外の工事が必要になる場合があるでしょう。

また橋梁では台風などが接近すれば工事は中断されますし、大きな工事になると事故が生じる可能性が高くなってしまうため、事故が起きると進捗に変化が生じてしまうのは仕方ありません。

また公共事業の問題として予算が出なければ工事の継続ができないことがあり、長期間を要する場合には予算の審議の状況によっては完了していなくても停止することがあります。

これは計画してから発注するまでに時間がかかっていることと、日本の経済状況によって収入が減少するという理由から、予算が計上できないという事態に陥るからです。

公共の観点から絶対的に必要になるような構造物の建設予算が削られるというのは少なくなっていますが、既存の類似するものがあったり利用状況が変化すると、予算配分にも問題が生じることは少なくありません。

この場合にはゼネコンが独自に工事を進めることはできなくなり、あくまでも発注者の意向を尊重するというスタンスを貫いています。

日本はゼネコンの持っている技術が海外からも高い評価を受けていて、日本以外でも多くの工事を受注しています。

これらの工事はそこに住む人々にとってはとても重要な施設になることが多く、適切な方法と高度な技術を用いて作り上げなければ簡単に壊れたりするので、その責任はとても重いと言ってもいいでしょう。

日本でも業者のやり方によって以後にトラブルが発生する場合があり、そこで困るのは実際に利用している人です。

民間企業であるのは間違いありませんが、手掛ける構造物の重要性から、多くの人々から注目を浴びている業種と言っても間違いありません。

最終更新日 2025年7月8日 by thejerry